韓国モバイルメーカー「ALT」が日本市場へ参入、物理キー搭載のガラケー型スマホ「MIVE ケースマ」を発表

韓国モバイルメーカー「ALT」が日本市場へ参入

韓国のモバイルデバイスメーカーALT(アルト)の日本法人であるALT JAPANは2月12日、都内で日本市場参入および新製品発表会を開催しました。日本参入の第1弾製品として、折りたたみ式の物理キーボードを搭載したスマートフォン「MIVE ケースマ(マイブ ケースマ)」を2月19日より順次発売すると発表しました。

■ 韓国発「ALT」の戦略と日本参入の背景

冒頭、ALT韓国本社のCEOであるイ・サンス(李尚洙)氏が登壇し、同社の概要と日本進出の意図を説明しました。イ氏は、サムスン電子、パンテック、SKテレコムといった韓国の主要IT企業で約38年にわたりモバイル事業に携わってきた経歴を持ちます。2017年に設立されたALTは、「セグメント市場(特定の顧客層に特化した市場)」をターゲットとする戦略を掲げており、韓国国内ではキッズおよびシニア向けのデバイス、メディアデバイス、AIロボットなどを展開しています。

イ氏は日本市場への参入理由について、韓国と日本の市場特性や顧客の習慣に類似性がある点を挙げました。約2年間の市場調査を経て、シニア層のニーズが高いと判断し、まずはシニア向け端末からの展開を決定しました。また、かつてパンテック在籍時にKDDIと協力して「簡単ケータイ」などを供給した経験から、日本市場の特性を理解していることも背景にあると語りました。

ALT JAPANのCOOであるキム・ヒチョル(金希哲)氏は、日本のスマートフォン市場が「レッドオーシャン」であるとしつつも、大手メーカーが注力していないニッチな領域に勝機があると説明しました。特に3G停波後もフィーチャーフォン(ガラケー)を使用し続けているユーザーや、スマホのタッチ操作に馴染めない層に対し、物理キーボードを持つ端末が有力な選択肢になると強調しました。

■ 新製品「MIVE ケースマ」の特徴

発表された新製品「MIVE ケースマ(型番:AT-M140J)」は、「ガラケーみたい、だけどちゃんとスマホ」をコンセプトとしたAndroidスマートフォンです。主なターゲットはシニア層で、以下の特徴を備えています。

  • ハイブリッド操作: タッチパネル(約4.3インチ)と物理キーボードの両方を搭載し、従来の携帯電話のようなボタン操作とスマートフォンのアプリ利用を両立させています。
  • 日本語入力システム「iWnn」の最適化: 日本語入力システムにはオムロン デジタル株式会社の「iWnn(ウンヌ)」を採用。発表会にゲスト登壇した同社の長谷川貴久氏によると、物理キーボードでの「連打入力」や「長押し入力」といったフィーチャーフォン特有の操作感を再現するため、OSの深層部からチューニングを行い、タッチパネル上のソフトキーボードとのシームレスな連携を実現したとのことです。
  • 安心・安全機能: 側面のSOSボタンを長押しすることで登録した保護者に位置情報とメッセージを送信する機能や、一定時間操作がない場合に通知を送る「安心メッセージ」機能を搭載しています。
  • スペック: OSはAndroid 14 Go Edition、CPUはMediaTek Helio G36、メモリは3GB、ストレージは32GBを搭載。バッテリー容量は2,100mAhで、IP54相当の防塵・防滴性能を備えます。おサイフケータイ(FeliCa)には非対応です。

価格はメーカー希望小売価格で34,800円(税込)。販売チャネルは、イオンモバイル、HISモバイル、J:COM MOBILE、LIBMOなどのMVNO各社に加え、ビックカメラ、ヨドバシカメラのECおよび一部店舗で取り扱われます。

■ 今後の展開

質疑応答において、今後のラインナップについて問われたイ CEOは、日本市場においてもキッズ向けスマートフォンの投入を検討していることを明らかにしました。韓国では子供の位置情報管理や有害コンテンツブロックなどの需要が高く、日本でも同様のニーズが見込めるとの考えを示しました。

また、競合となる国内メーカー(FCNTや京セラなど)との差別化については、単なる端末販売にとどまらず、LINEなどのコミュニケーションアプリを使いたいが操作に不安がある層へ、低価格かつ軽量な組織体制でアプローチする「隙間戦略」でシェア獲得を目指すとしています。

ALTは、2026年3月にスペインで開催されるMWC Barcelona 2026にも出展を予定しており、グローバル市場への展開も加速させる方針です。

【製品概要】

  • 製品名: MIVE ケースマ(AT-M140J)
  • カラー: インディゴブラック、パールホワイト
  • 発売日: 2026年2月19日(木)順次発売
  • 価格: 34,800円(税込)
  • サイズ: 約127.8 × 65.3 × 16.2mm(折りたたみ時)
  • 重量: 約195g
  • 通信: LTE / 3G 対応(SIMフリー、nanoSIM)

ALT JAPAN

この記事を書いた人

海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けています。

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