POCO F7 Ultraに搭載されたグラフィック用チップセット「VisionBoost D7」ってなんだ?

小米技術日本株式会社(Xiaomi Japan)は、3月27日に同社のスマートフォン最新モデル「POCO F7 Ultra」を発表しました。このモデルの注目ポイントは、グラフィック用、特にゲームプレイ時のグラフィック性能を効率的に引き出すために新たに搭載されたチップセット「VisionBoost D7」です。

まず、このチップセットの名称について、D7とはあるもののD6以前のモデルがあるわけではなく、同社からは命名について「特段のこだわりはございません」との回答。ただRedmi K80 Proなどには、ゲーミング向けのチップセットとして「D1」が採用されており、さらに内部構造に関しては詳細は非公表ながら「D1チップと同等の機能性を有しております」と回答してるため、D1の流れを汲むチップセットだと思われます。

そのため、機能としては搭載しているプロセッサー「Qualcomm Snapdragon 8 Elite」のGPU「Adreno」に置き換えて使うdGPU的なものではなく、各種グラフィックの追加機能が利用可能なチップセットとなっていると思われます。

D1では対応するゲームなら、超解像、スーパーフレーム、HDRといった機能が利用可能。さらにタッチ情報を補間アルゴリズムの補助情報として使用し、補間の精度を大幅に向上させ、補間画像の損傷を軽減する「タッチダイナミック補間」。ゲーム画面を動的に識別して明るい部分に影響を与えずに、AI アルゴリズムによって暗い部分の詳細を改善し、暗い部分の視覚効果を高める「ゲームダークナイトモード」が利用可能です。

D1ではこれら機能はゲーム用に使われていますが、VisionBoost D7では映像全般にも対応を拡大しているようで、YouTubeとNetflix に対応し、視覚的に、動画の解像度、フレームレート、HDR効果の向上が期待できるとのこと。ちなみにNetflix のようにDRM保護されたコンテンツにも対応しているそうです。

またVisionBoost D7の対応ゲームタイトルはApp Mall からダウンロードできるゲームが基本となり、特に「原神Imapact」、「PUBG」、「MLBB」に関しては重点的に最適化を実施しているとのこと。

一般的にこういったチップセットを追加した機能を使うと、バッテリーをより消費することになります。残念ながらVisionBoost D7が動作した場合のバッテリー消費量について、具体的な数値は非公表。

ただしXiaomiは「ゲームプレイ中において、擬似的にフレームレートを向上させるとともに、バッテリーの消費を軽減する効果が期待できます」とも説明しており、このあたりは実機でテストしてみないとといった感じです。

この記事を書いた人

海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けています。

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