ぐるなびは2026年1月20日、生成AIを活用した飲食店マッチングアプリ「UMAME!(うまみー!)」を正式にローンチしました。同社が創業30年目を迎え推進するDX戦略「ぐるなびNextプロジェクト」の中核サービスであり、2025年1月のベータ版公開から1年間の検証を経て、機能とデータ基盤を大幅に拡充しての公開となります。


杉原章郎社長は「創業30年目を迎え、生成AIにより『探す外食』から『出会う外食』への転換を目指す。『UMAME!』はその進化を象徴するサービスであり、外食体験の可能性を広げる挑戦だ」と意気込みを語りました。

「UMAME!」は、従来のキーワード入力による「検索(Search)」から、AIがユーザーの潜在的なニーズを汲み取る「マッチング(No Search)」への転換を掲げています。アプリを開いた瞬間や対話を通じて、AIエージェントがユーザーの「今の気分」や過去の履歴を解析し、最適な店舗を即座に提案する仕組みです。




正式ローンチにあたり登壇した岩本俊明執行役員CTOは、ベータ版運用で得られた課題として、ユーザーが従来の検索習慣から「銀座 寿司」のような単語入力に依存してしまう点や、気分によって変化する嗜好への対応の難しさを挙げました。これらを解決するため、システムを刷新し、複数のAIエージェントが連携してユーザーの文脈を理解するアーキテクチャを採用しました。対話内容や行動履歴を短期・長期の記憶(メモリ)として管理することで、ユーザーの変化する嗜好を学習し、精度の高いパーソナライズを実現しています。





機能面では、iOS版に加えAndroid版の提供を開始しました。提案の基盤となる店舗情報は、ベータ版の約42万店から大幅に拡充され、2026年2月上旬までに約59万店となる予定です。これにより、ユーザーの現在地や嗜好に合致した店舗が見つからないという課題の解消を図ります。また、ブックマーク機能や写真投稿機能も強化され、単なる記録ではなく、AIがユーザーの好みを学習するためのデータとして活用されます。





事業戦略上の位置づけとして、同社は予約利用が主体の「楽天ぐるなび」と、リアルタイムな店舗探しに特化した「UMAME!」を明確に使い分ける方針を示しました。特に、インバウンド(訪日外国人)や若年層に多い「予約なし(ウォークイン)」での来店需要や、2次会の店舗探しといった即時性が求められるシーンでの利用を想定しています。



今後の展開として、2026年3月までに英語対応を行い、インバウンド需要への対応を強化します。岩本CTOは、将来的には異なるAIエージェント同士が連携(A2A)し、人と店だけでなく、人と人をつなぐプラットフォームへの進化を目指す構想を語りました。なお、現時点でアプリ単体での収益化は行わず、当面はユーザー体験の向上とデータ蓄積を優先する方針です。


