ウィンドサーフィンに5G/LTEモジュールやセンサーをつけて陸上で体感!「ANAウインドサーフィンワールドカップ 横須賀・三浦大会 記者発表会」

2022年11月11日から15日まで、3年ぶりに開催される「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会」。9月13日には、それに先だって行われた記者発表会が開催されました。

本大会はPWA(Professional Windsurfers Association)公認の世界最高峰の大会。世界のトッププロが約10か国を年間にわたり転戦するワールドツアーで、しかもスラロームの最終戦となっているため、この大会でワールドチャンピオンが決定する可能性があります。

また今年からスラロームは、通常のフィンとフォイルを風の強さにあわせて選手が選択可能。フォイルはボードを空中に押し上げて、空中を飛んでいるかのように、海上を滑走します。

大会会場では、NTTが特別協力企業として「ICTを駆使したウインドサーフィンシュミレーター体験会」を開催予定。ウィンドサーフィンにカメラなどのセンサーに加え、5G/LTEでの通信により、実際に選手が海上走行しているデータを収集。イベントエリアに設置した身体感覚シミュレーターで、未経験者でも、プロのウィンドサーフィンがどういう動きをしているのか体験できるとのこと。

今回のシミュレーターは、NTT人間情報研究所が取り組んでいた、身体的な技能・能力の獲得や発揮を促す「身体知」のデジタル化に関する研究開発を使っています。コツのような身体に根ざした経験的な知をデジタル化することで、練習時の分析などに役立てるわけです。

最近こういったICTを使ったスポーツへの取り組みというのは進んでいて、例えば野球ならフォームのチェックから球の軌道回転数の解析、陸上競技なら細かな体の動かしかた、自転車競技なら状況に合わせた速度など、センサーや通信機器などを使い、特にランドスポーツでは大きな効果を得ています。

ところがウォータースポーツ、特に海で行うマリンスポーツは、ICTの導入が遅れています。発表会後にプレゼンを行った、NTT人間情報研究所 サイバネティックス研究プロジェクト プロダクト・マネージャー 青野裕司氏にも話を伺いましたが、「水、特に海水というのがやっかいで、センサーや通信機器の取り付けが大変」とのこと。また陸から離れた海上で行われる競技のため「LTEでの通信だと遅延がある」と話していました。

まだまだ解決が必要な技術的要素はあるものの、こういったイベントでの取り組みから、マリンスポーツでのICT導入がより進むと、競技者のレベルだけでなく、競技人口の拡大にもつながるので期待したいです。

■登壇者
〇「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会」実行委員会
会 長 上地克明氏 (横須賀市長)
副会長 吉田英男氏 (三浦市長)
副会長 井上慎一氏 (全日本空輸株式会社 代表取締役社長)
副会長 川俣幸宏氏 (京浜急行電鉄株式会社 取締役社長)
監 事 川添雄彦氏 (一般社団法人日本ウインドサーフィン協会(JWA)会長)
監 事 井上和子氏 (神奈川県横須賀三浦地域県政総合センター所長)
○ 日本人選手
工藤輝選手<2021JWA proメンズスラローム第3位>
鈴木文子選手<2020JWA proレディーススラローム第5位>)
○ NTT人間情報研究所 青野裕司氏(サイバネティックス研究プロジェクト プロダクト・マネージャー)

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