MediaTekは新たなAIoT向けチップ「Genio 1200」を発表

MediaTek (メディアテック)は2022年5月11日、AIoT(※)デバイス向けの新しいGenioプラットフォームで、Genioシリーズ初のプレミアムAIoT製品向けチップ「Genio 1200」を発表しました。

(※) AIoT:モノのインターネット(IoT)と人工知能(AI)を組み合わせた技術を示す用語。

MediaTek Genioは、パワフルで超高効率のチップセット、オープンプラットフォームのソフトウェア開発キット(SDK)、包括的なリソースとツールを備えた開発者用ポータルを完備したAIoTプラットフォームスタックです。このオールインワン・プラットフォームにより、メーカーは消費者および企業、工業向けに、プレミアムからミッドレンジ、エントリーレンジまで、先端的でスマートなアプリケーションの開発を簡単に行えるようになり、デバイスを市場投入するまでの時間を短縮することができます。

MediaTek Genioを使用することで、お客様はコンセプト段階から設計、製造までに必要となるすべてのハードウェア、ソフトウェア、リソースの利用ができるようになります。製品の仕様に合わせてGenioシリーズからチップを選択し、MediaTekの開発者用リソースとYocto Linux用オープンプラットフォームのSDKを使用して、設計をカスタマイズすることが可能です。またMediaTekは、お客様がMediaTekのパートナーのシステムハードウェアおよびソフトウェアに簡単にアクセスできるようになることで、ネットワークや販売チャネルを活用できるようにしています。使いやすい統合型プラットフォームのMediaTek Genioは、開発費を削減し、市場投入までの時間を短縮しながら、製品ライフサイクルを延長するOSアップデートやセキュリティパッチに対する長期のサポートを提供します。

MediaTek コーポレートシニアバイスプレジデント兼コンピューティング・コネクティビティ・メタバース事業グループジェネラルマネージャーであるJerry Yuは、次のように述べています。「現在、MediaTekは市場で最も人気のあるAIoTデバイスに搭載されています。業界が新たなイノベーションの時代に突入するなか、MediaTekのGenioプラットフォームはメーカーが最新の市場ニーズに応えるために必要な柔軟性、スケーラビリティ、開発サポートを提供します。メーカー各社がGenio 1200とパワフルなAI機能、4Kディスプレイ対応、先進のイメージング機能によって、新たなユーザーエクスペリエンスを実現することを楽しみにしています。」

オープンプラットフォームのAIoT SDK

Genioオープンプラットフォーム AIoT SDKは、Yocto Linuxに対応しており、設計者は同一のソフトウェアパックで複数の製品をカスタマイズすることが可能です。各ソフトウェアアプリケーションレイヤーの記述やコーディングの効率化により、お客様は、アプリケーションのタイプに関わらず、最小限のサポートで製品を開発することができます。

開発者用リソースとパートナーエコシステム

MediaTek のGenio開発者用ポータルにより、お客様は幅広い開発者ツールに加え、パートナーのシステムハードウェアおよびソフトウェアにアクセスできます。さらにメーカーはこのポータルを利用して、パートナーの持つネットワークと販売チャネルを活用することができます。この一連の開発ツールとパートナーサポートにより、あらゆる規模のメーカーが容易にAIoT製品の設計を合理化し、市場投入までの時間を短縮することができるようになります。

高性能チップセット

MediaTek Genioのチップセットは、高速のマルチコア性能と抜群の電力効率を備えており、極めてコンピューティング負荷の高いAIアプリケーションのユーザーエクスペリエンスを最適化することができます。各GenioチップセットのCPU、GPU、AI処理ユニット(APU)が連携して、エッジにおけるインテリジェントな自律機能を強化し、高品質のディスプレイやカメラをサポートします。さらに、各チップセットが最新のWi-FiプロトコルやBluetoothプロトコルに対応し、シームレスな接続を実現します。

Genioシリーズは、以下のようなプレミアム、ミッドレンジ、エントリーレベルのシステムオンチップ(SoC)やモジュールにより、市場やアプリケーションのさまざまなニーズに対応します。

  • Genio 1200:プレミアムAIoT向け。最高クラスの性能、最新のマルチメディア規格と4Kディスプレイ、4.8 TOPs AIアクセラレーター、卓越した電力効率が要求されるプレミアムAIoTアプリケーションに対応。
  • Genio 500:小売業および商業用IoTアプリケーション向け。高性能のエッジ処理と最先端のマルチメディア機能が要求される一般家庭および商業用IoTアプリケーションに対応。
  • Genio 350:携帯用および家庭用のハブ向け。より軽量な映像および音声エッジ処理が必要とされる携帯用および家庭用のハブに対応。
  • Genio 130:クラウド対応型音声アシスタントデバイス向け。オーディオおよびマイクに特化したプラットフォームを必要とする、thin-OSおよびクラウド対応の音声アシスタントデバイスに対応。

Genio 1200は、高性能オクタコアCPU、5コアGPU、デュアルコアAIプロセッサ、高度なマルチメディアエンジンを備えており、先進のスマート家電、工業用IoTアプリケーション、その他の要求の厳しいAI搭載デバイスに最適です。また、さまざまなコンピュータビジョン(CV)アプリケーションから超高精細のディスプレイ入力やカメラ入力を受信して処理することができます。

新しいGenio 1200は、最高クラスの性能、最新のマルチメディア規格と4Kディスプレイ対応、卓越した電力効率を兼ね備えた6nmクラスのチップです。このパワフルで拡張可能な高集積プラットフォームは、PCI-Express、USB 3.1、GbE MACなどのさまざまな高速インターフェースに加え、MediaTek Wi-Fi 6EモジュールやSub6の5Gモジュールをサポートし、幅広い接続ニーズに対応します。

Genio 1200は2022年下半期に発売予定です。GenioプラットフォームとGenio 1200について、詳しくはhttps://www.mediatek.jp/products/internet-of-things/aiot をご覧ください。

MediaTek Genioの開発者用ポータルへは、https://www.mediatek.com/aiot/home からアクセスできます。

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