京セラの「HAPTIVITY」とTactoTecの「IMSE」を融合させた「HAPTIVITY i」

11月8日、京セラは同社の持つ触覚伝達技術HAPTIVITYと、TactoTecの電子部品を搭載した基板を3G射出形成でカプセル化する「IMSE」を融合させた複合技術「HAPTIVITY i」を発表しました。

HAPTIVITY は、圧電素子を活用し、指などでタッチした感圧で微細な振動発することで、リアルな触感を伝える技術。従来のモーターを動かして振動させる方式よりも、パーツはコンパクトで電力消費もかなり抑えられます。

一方のIMSEは、電子部品を搭載した印刷回路基板を、3D射出成形プラスチック内に封入してカプセル化する技術。たとえば、クルマのコンソールなどボタン類がある部分で、カバーそのものにボタンやLEDを組み込めるため、部品点数を減らし薄型化できるわけです。 IMSE単体では、すでにドアなどに使われるスマートキーシステムに使用例があるとのこと。

この「HAPTIVITY」と「IMSE」を組み合わせたものが 「HAPTIVITY i」です。 IMSEで作られたボタン部分を押すと、 HAPTIVITYが反応してボタンを押した感触などが伝わります。 HAPTIVITY自体も小型&薄型なので、 IMSEの特徴を生かしつつ、リアルなボタン操作の感触を持たせることができるわけです。

実際テスト機を操作してみましたが、ボタン部分は単なるプラスチックで凹凸があるだけなのに、指で押してみるとしっかり感触が伝わってきて、操作しているというのが解りやすい。液晶ディスプレーなどと違って凹凸があるので、どこにボタンがあるのか目視して確認しなくても、ボタンやスライダーなどの操作ができそうです。

今後はクルマのコンソールなどに「HAPTIVITY i」を提供していきたいとのこと。パソコンなどのキーボードにも使えそうではあるが、振動させる場所をフォーカスさせるのが難しいため、どこを押したかがわかりにくいこともあり、厳しいとのことです。そのあたりが今後の課題のようです。

この記事を書いた人

海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けています。

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