常識を覆してきた楽天モバイルが新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」で持ち込んだ「サブスクは問答無用で値上げする」という「常識」

楽天モバイルが新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」を発表しました。

最大月額2980円の段階制と、一見すると今まで同じように見えますが、1GB以下月額0円が廃止され、0円運用をしていたユーザーにとっては大幅な値上げとなります。

さらにプラン変更は7月1日からで、既存プランのユーザーも自動で移行するため、自動的に料金が上がることになります。実際は無料期間が用意されているので、10月1日までは1GB以下の場合は0円で運用できます。

旧プランで運用する方法は残っていないので、どうしても「0円運用」をしたいユーザーは、この4ヵ月の間にpovo 2.0へ移行するしかなさそうです。ちなみに新たに「楽天モバイル回線利用で楽天ポイントが+1倍」という特典が用意されましたが、毎月の獲得上限ポイントは1000ポイントなので、そこまでおトクな特典ではありません。

さて、この勝手に料金プランを変更して、問答無用で値上げという手法、従来の通信キャリアのやりかたからするとずいぶん乱暴で、楽天モバイルらしい「常識を覆した」施策です。

従来の通信キャリアの場合、新しい料金プランが提供されても、勝手に新プランに切り替わるようなことはほぼありませんでした。一応ユーザーが自らの意志で新しいほうがいいか、古いままがいいか決められたわけです。もちろん「新機種に買い換えの場合は新プラン必須」とった施策もなくなはいですが。

というわけで、今回の新プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」は、いままで通信キャリアの常識からすれば、「勝手に料金プランを変更して、問答無用で値上げ」という「非常識」なユーザー感情を逆なでする施策です。

ただここで筆者が思ったのは、従来の通信キャリアの施策のほうが「非常識」で「やさしすぎた」のではないかということ。

基本的にサブスクリプションサービスというのは、「勝手に料金プランを変更して、問答無用で値上げ」します。最近ではVODサービスのDAZNが大幅な値上げをしていました。

DAZN for docomo、月1078円のユーザーも1925円に値上げ

Amazonプライなんかも無料になるケースをやめたり、なんならガスや水道、電気など公共インフラも「問答無用で値上げ」します。よく考えれば、「旧プランのほうが安い人は、そのプランでそのまま使ってていいですよ」というサービスのほうが少ないのでは。

なので、今回の楽天モバイルの施策は、「常識を覆した」というよりは、「非常識だった通信キャリアの料金プラン施策に、サブスクの常識を持ち込んだ」といった感じかなと思います。

この記事を書いた人

海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けています。

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