OPPO Reno7 Aが打ち出した「ときめき、長持ち。」の理想と現実

2022年6月16日、オウガジャパンからスマートフォンの最新モデル「OPPO Reno7 A」が発表されました。同日には発表会も行われています。

▲新たに発表された「OPPO Reno7 A」

今回、OPPO Reno7 Aのキャッチコピーは「ときめき、長持ち。」。発表会ではタッチ&トライのコーナーもあり、実機を触ってみましたが、かなりエレガントなデザインで、高級感があります。税込4万4800円の価格で、いわゆるミッドレンジを狙っているユーザーなら、間違いなくオススメできる1台です。

▲「ときめき、長持ち。」がキャッチコピー

キャッチコピーを体現するように、前モデルよりも2倍の強度をもったガラス面や、36ヵ月使用しても、劣化具合を5%以下に抑える機能。ストレージを仮想メモリーとして拡張できる機能など、ハードと機能、性能面では確かに長く使えるスマートフォンに仕上がっています。

ただし、本当に長く使えるかというと、疑問は残ります。たとえばOSのアップデート。発表会後にグループインタビューが行われましたが、そこで「OSアップデートのサポートは?」という質問にたいし、オウガジャパンは「1回目はすでに準備しています。2回目については今現時点で未定」と話しています。

▲発表会と同日に行われたグループインタビュー

OPPO Reno7 AのOSは、Android 11。すでに昨年Android 12が発表され搭載モデルも多くリリースされています。その次のAndroid 13はまもなく発表される見込み。となると今年発表されるバージョンのAndroidにすらアップデートできるかどうか解らない状態です。

先だってWWDC22で発表されたAppleのiOS 16は、iPhone 7シリーズのサポートが打ち切られました。iPhone 7は2016年9月発売。現在でもiPhone 7を使用しているというユーザーはチラホラ見受けられますが、6年たってやっとOSのアップデートが打ち切られたわけです。

ひと世代前のOSを搭載してリリースし、2世代のアップデートも確約できない製品を「ときめき、長持ち。」で使えるのか、はなはだ疑問です。これはOPPOだけではなく、Androidスマートフォン全般に言えることではありますが、長く使うことをコンセプトにリリースする製品なら、そこはしっかりとクリアしてほしいポイントです。

グループインタビューでは「アップデートしないと使えないわけではない」とも回答していました。もちろんそれはそうですが、OSのアップデートはわりと「ときめき、長持ち。」な気分にさせてくれるので、ワクワクしながら使い続ける重要なポイントだと思います。

「Googleレンズの機能を組み込むなどもやっていて、Googleとは親密に連携をとっている」とも話しています。それならば、Googleから「4世代後までのアップデートの確約はとってきた」くらいの「長く使える」保証が欲しいとことです。

またOSアップデートだけでなく、セキュリティーアップデートも不安が残ります。2019年に発売され2年半が経過した「OPPO Reno A」は、「セキュリティーアップデートの更新はなくなる」とのこと。従来機種のセキュリティーアップデートが2年半で終了しているのに、今回はそれ以上のことが対応できるのか疑問なわけです。長く使ってもらうなら、まず従来機種のユーザーに対してちゃんとサポートすべきではと。

▲2年半前に発売された2モデル前のOPPO Reno Aはセキュリティーアップデート終了で、長くは使えない

オウガジャパンが「長く使う」というのは、どれくらいの期間を想定しているのか、質問したところ「最近のトレンドなどもあり3~4年」との回答でした。3~4年が長いか短いかはユーザーの感覚にもよりますが、やはりiPhoneのサポートと比べると短いと言わざるを得ません。

修理なども3~4年は対応するとのことですが、このあたりの窓口や修理手段も増やしていかないと「長く使える」ことにはなりません。街中のスマートフォン修理店も基本的にはiPhoneが対象で、Android端末は取り扱えない店舗も多くあります。

たとえばそこで、修理店舗に修理のためのレクチャーや部品の供給などを行い、修理の対応ができる場所を増やすなどすれば、スマートフォンを長く使えるポイントになると思います。

そもそもAndroidを作っているGoogleのPixel自体が、3年ほどしかアップデートに対応していません。Android自体が「ときめき、長持ち。」で使えるような施策になっていないわけです。そこを解消しないで、Androidで長く使うをコンセプトに持ち出してもかなり無理があるかなと。はっきり言えば「長く使う」という目的でスマートフォンを選ぶなら、iPhoneを買ったほうが無難です。ときめくかどうかは別ですが。

ファーストインプレッションとしては、モノとしてかなり好印象だった「OPPO Reno7 A」。やはりコンセプトは無視して2年くらいで買い替えたほうが、Androidスマートフォンに対して「ときめき、長持ち。」でいられるかなと思います。

この記事を書いた人

海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けています。

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