NTTドコモ・フィナンシャルグループ設立会見、新ブランド「ドコモの銀行」と新還元策を発表 2030年度に収益1.2兆円を目指す

2026年7月9日、NTTドコモ・フィナンシャルグループ(以下、ドコモFG)は設立に関する記者会見を開催した。決済、銀行、証券、融資を統合したデジタル金融サービスの展開を説明し、新ブランド「ドコモの銀行」の立ち上げや、グループ各社のサービス連携による新たなポイント還元策を発表した。同社は2030年度の事業目標として、収益1.2兆円を掲げている。

新ブランド「ドコモの銀行」と対面サポートの拡充

住信SBIネット銀行は8月3日付で「ドコモSMTBネット銀行」へ商号変更する予定であり、これに合わせて個人向け銀行サービスブランドを「ドコモの銀行」へと刷新する。ドコモFGの廣井孝史社長は、「やさしい金融を、みんなの手に。」というビジョンを掲げ、金融知識に不安を持つ層へのアプローチを強化する方針を示した。

具体策として、全国のドコモショップにおける金融サービスの取り扱いを拡大する。すでに2026年1月から一部店舗でマネックス証券の口座開設等の支援を行っているが、8月からは「ドコモの銀行」の口座開設や初期設定のサポートも開始する。将来的にドコモショップ1000店舗を含む1500店舗以上で銀行サービスを取り扱う計画であり、住宅ローンの取り扱い店舗も現在の2倍となる150店舗まで拡大し、ネットとリアルの融合を図る。

最大4.5%のポイント還元策

グループ各社のサービス連携によるdポイントの還元策も発表された。8月20日より「ドコモの銀行」と「dアカウント」の連携を開始し、dカードの引き落とし口座を「ドコモの銀行」に設定して街での買い物にdカードのスマホ決済を利用すると、決済基本還元率に加えて初年度最大2.0%が上乗せされ、合計で最大3.0%のdポイントが還元される。

さらに、マネックス証券口座と「ドコモの銀行」間の自動入金(スイープ)設定や積立投資の利用といった条件を満たすことで、最大1.5%の還元が追加される。これにより、ドコモの銀行、dカード、マネックス証券のサービスを連携させることで、初年度は最大4.5%の還元となる。

「金融AI」の導入とBtoB展開

テクノロジーの活用として、ユーザーのライフスタイルや価値観を分析し、最適な提案を行う独自の「金融AI」を開発・提供する。日常の収支を可視化し、一人ひとりの趣味や生活計画に合わせたポイント活用や資産運用などをアプリ上で支援する方針である。

また、法人向け事業「スマートライフプラットフォーム」の展開も明らかにした。パートナー企業に対し、銀行機能(BaaS)をホワイトレーベルで提供する。これにより、提携企業は自社サービスに金融機能やdポイントの仕組みを組み込むことが可能となり、事業収益の拡大と顧客のロイヤリティ向上を図ることができる。

融資事業の強化と成長戦略

「借りる」領域を担うドコモ・ファイナンスについては、スマートフォンで完結する個人向けローン「dスマホローン」が2026年4月に累計貸付実行額1500億円を突破したことが報告された。今後はビジネスローンやおまとめローンの共同展開を進めるほか、「ドコモの銀行」の変動金利型住宅ローンや「フラット35」を取り扱い、顧客のライフステージに応じた融資をサポートする。

今後の成長戦略として、ブロックチェーン技術を活用したステーブルコイン決済の導入や、決済データを活用した即時与信サービスなど、次世代の金融領域への展開も視野に入れている。廣井社長は、現在の「金利のある世界」への移行を収益機会の増加と捉え、「デジタル金融サービスを統合的に提供することで、2025年度見込みの約6000億円から倍増となる収益1.2兆円を2030年度に達成したい」と述べた。

この記事を書いた人

海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けています。

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