ソフトバンクグループ第46回定時株主総会、ASI(人工超知能)時代に向けた戦略を説明

ソフトバンクグループ株式会社は2026年6月24日、第46回定時株主総会を開催した。孫正義代表取締役 会長兼社長執行役員が登壇し、2025年度の業績および今後の事業戦略について説明した。

■ 業績および財務状況

2025年度の連結売上高は前年度比7.7%増の7兆7987億円、純利益は5兆23億円を計上した。1株当たりの年間配当額は11円とし、2026年度も同額を予想している。財務の安全性を図る指標であるLTV(純負債/保有株式)は17.0%となり、「通常時25%未満」とする財務方針を下回る水準を維持している。

■ 事業戦略

事業戦略において、AIモデル、AIチップ、AIインフラ、フィジカルAIの4領域に注力する方針を示した。 AIチップ領域では、子会社のアーム(Arm)が設計図の提供から自社開発チップの製造・販売へと事業領域を拡大している。AIインフラ領域では、米国オハイオ州で原発10基分に相当する10GW規模のデータセンター建設を発表したほか、テキサス州や欧州(フランス)でも開発を進めている。フィジカルAI領域については、数十社のロボット関連企業を集約し、ABBのロボティクス事業買収を通じて体制を強化していると説明した。 また、同社の保有株式の価値拡大について言及し、今後16年間で1000兆円規模の成長を目指す目標を提示した。

■ 質疑応答

総会内で実施された質疑応答の内容は以下の通り。

Q. データセンターの展開と今後の見通しについて A. 米国オハイオ州で世界最大級のデータセンターを建設している。テキサス州など複数箇所でも準備中であり、フランスでの計画もある。将来的には日本でも拡張する考えであり、同事業による収益を見込んでいる。

Q. インテル(Intel)への投資の意図と現状について A. 半年前に約3000億円を投資した。米国政府による支援の動きや他社との契約報道を背景に、現在株価は約6倍に上昇し、数兆円単位の利益が生じている。

Q. 企業価値目標(1000兆円)の達成時期について A. 16年後を目標としているが、それ以前に200兆円は早期に超えると見込んでいる。現在準備中の事業計画に自信を持っている。

Q. AIロボット開発・製造の進捗について A. 正式な発表前ではあるが、自社工場においてAIロボットの量産を既に開始している。AIがAIを量産する試みであり、近く詳細を発表する予定である。

Q. ChatGPTなどのAI利用時におけるプライバシー懸念について A. 業務等での利用において、開発元の企業方針として利用者の会話やデータを外部に漏洩させることはないため、継続利用は可能であると認識している。

Q. 今後の後継者育成や外部登用の方針について A. 「情報革命で人々を幸せに」という理念や企業カルチャーを継続して語り継ぐことが不可欠である。グループ企業約2000社の中から実績を積んで勝ち上がってくる人材に期待している。

Q. AI領域におけるライバル企業について A. 時価総額上位のAI関連企業すべてが競合であり、同時にパートナーでもある。自社はAIの4領域(モデル・チップ・インフラ・ロボット)を押さえることで競争力を確保する方針である。

Q. AI半導体市場におけるアーム(Arm)の競争優位性について A. 生成AIの初期段階では画像処理用のGPUが中心だったが、次のエージェントAIの段階では自律的処理のためCPUの重要性が増す。データセンターの電力不足が課題となる中、アームのCPUは他社製品に比べ電力効率が2倍高く、優位性がある。

Q. 特定のAIモデルに対する利用規制等のリスクについて A. AIの暴走を防ぐためのルール形成は各所で行われるが、AI技術自体が全面的に使用禁止になることはないと考えている。ルールの範囲内での利用は継続される。

Q. サイバーセキュリティ関連事業の目的と収益性について A. AIの進化に伴いサイバー攻撃の脅威も増すため、インフラを防御するサービスが必要である。社会的使命として取り組む事業であるが、同時に十分な利益も確保できるビジネスモデルである。

Q. 配当金と株価上昇を含めた株主還元の考え方について A. 配当金は継続するが、現在は成長事業への投資資金が必要な時期である。事業成長に伴う株価上昇による株主還元を中心とする方針である。

Q. AI計算基盤に関する「スターゲート計画」への関与と進捗について A. 同計画について、当初の予定を前倒しでインフラ建設を進めている。特定の企業だけでなく、他のハイパースケーラーにも設備を提供し、事業を拡大していく。

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