1100億円出資!NTTがSBIと資本提携、金融・DX・メディアで「マルチポイント経済圏」構築へ

NTTとSBIホールディングス株式会社は2025年5月29日、広範囲な領域における資本業務提携契約を締結したと発表しました。これに伴い、NTTの子会社である株式会社NTTドコモは、住信SBIネット銀行株式会社の普通株式に対する公開買付け(TOB)を開始し、同行を連結子会社化することを目指します。

今回の提携は、NTTグループの中期戦略に基づき、パーソナルビジネス分野強化や社会産業のDX加速、金融領域でのサービス強化などを目的としています。NTTは、SBIホールディングスが実施する第三者割当増資を引き受け、約1108億円を出資し、SBIホールディングスの普通株式2700万株を取得します。

NTTドコモによる住信SBIネット銀行へのTOBは、5月30日から開始され、1株あたり4900円で実施される予定です。TOB成立後の一連の取引を経て、ドコモは住信SBIネット銀行の議決権の50%を保有することとなり、2025年第3四半期(11月頃)に連結会社となる予定です。

ドコモは、住信SBIネット銀行の安定した経営基盤や高度な技術力を評価し、「最良のパートナー」と位置づけています。銀行業に本格参入することで、ドコモの顧客基盤や多様なチャネルを活用した金融サービスの一体提供、データ連携による最適なサービス提案、顧客基盤の強化、金融事業の成長加速を目指します。

SBIホールディングスは、NTTグループとの提携により、両グループの顧客基盤を活用したマルチポイント経済圏の構築や、メディア領域での協業(ネオメディア生態系構築)にも意欲を示しました。住信SBIネット銀行は、NTTの顧客基盤やドコモのポイント事業などの補完機能を得て、Birth NeoBank戦略を通じたさらなる成長を目指すとしています。

両グループは、銀行・証券領域での連携強化に加え、資産運用、セキュリティトークン、保険分野での新サービス創造、金融システムの高度化、再生可能エネルギーやWeb3などの分野での協業も検討していく方針です。

会見には、NTTの島田明社長、SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長、NTTドコモの前田義晃社長、住信SBIネット銀行の円山法昭社長が登壇し、提携の狙いや今後の展望について説明しました。

この記事を書いた人

海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けています。

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