uCloudlink Japan株式会社は、このほど、同社が今年3月にスペイン・バルセロナで開催されたMWC25で発表した新製品に関するメディア向け説明会を開催しました。本説明会では、同社のグローバル戦略と日本市場における事業展開、そして新たに発表されたモバイルWi-Fiルーター、SIM関連技術、ライフシリーズ製品群の詳細が報告されました。
説明会冒頭では、uCloudlinkのグローバルビジネスの概要が説明され、14ヶ国にオフィスを構える実績、多くの企業に同社の技術や製品が採用されていることが紹介されました。昨年からは、より直接的な顧客との接点を増やすため、自社ブランドによる展開を強化しているとのことです。
続いて、同社の主な4つのビジネスラインである「モバイルブロードバンド(モバイルWi-Fiルーター)」、「SIM」、「ライフシリーズ」、そして「IoT」について説明がありました。特にモバイルブロードバンド事業においては、日本で展開されているモバイルWi-Fiレンタル事業の90%以上で同社の技術が活用されていることが明かされました。
MWCで発表された新製品として、5G対応のモバイルWi-Fiルーター「MeowGo GSO Max」と世界初の5GフルスピードモバイルWi-Fiルーター「Numen Air」が紹介されました。これらのデバイスは、AIによるネットワークの自動切り替え機能や、複数のキャリアネットワークに対応するHyperConn技術を搭載し、世界80カ国で5G、200以上の国と地域で4Gを利用できる点が強調されました。従来のSIMに加え、eSIMやCloudSIMといった多様なデータリソースを組み合わせることで、ユーザーは契約の手間なく、常に最適なネットワークを利用できるとしています。

SIM関連では、eSIM TRIOが紹介され、GlocalMeや他のeSIMプロバイダーからの柔軟なプランを利用可能にし、スマートフォンに最適なセカンドSIMカードとしての活用が提案されました。
ライフシリーズからは、特にペット向けスマートデバイス「PetPhone」が詳細に説明されました。この製品は、「ペットと家族の距離をなくす」をコンセプトに開発され、双方向の音信通信、6つの測位技術による高精度なグローバル追跡、電子フェンス、活動量・睡眠モニターなどの機能を搭載しています。特に、従来のBluetoothを用いたトラッカーと比較して、より広範囲で正確な位置情報を提供できる点が強調されました。開発の背景として、従来のモバイルWi-Fiルーター事業で培ったネットワーク技術を応用し、より人々の生活に密着した製品を提供したいという思いがあったことが語られました。将来的には、AIがペットの感情を解析し、飼い主に伝える機能の実装も検討されています。
その他、充電とWi-Fi機能、追跡機能を一体化したUSBケーブル「UniCord Plus/Pro」や、プラグに挿すだけでWi-Fi環境を構築できるデバイスも紹介されましたが、後者については日本のPSE認証取得に課題があることが言及されました。
uCloudlink Japanは、これらの革新的な製品を通じて、グローバルな接続性と利便性を提供し、人々の生活を豊かにすることを目指す方針を改めて示しました。特にPetPhoneに関しては、日本のペット市場における新たな価値提供への期待が寄せられています。
