中国大手家電メーカーのXiaomi(シャオミ)は本日、埼玉県さいたま市緑区のイオンモール浦和美園に、日本初となる旗艦店「Xiaomi Store(シャオミストア)」をグランドオープンした。開店時には多くのファンやメディアが駆けつけ、注目度の高さを伺わせた。
記念すべき日本初旗艦店のオープニングセレモニー

午前中に開催されたオープニングセレモニーでは、MCの紹介に続き、まずイオンモール株式会社 取締役 上席執行役員 営業担当 坪谷雅之氏が登壇。「スマートフォンの体験を中心に、様々なスマートデバイスに触れて体感できる店舗」としてのXiaomi Storeのオープンを歓迎し、今後の連携に期待感を示した。
続いて、Xiaomi国際業務部 Andrew Li氏が挨拶に立った。Li氏は、日本のユーザーとミファンへの感謝を述べるとともに、今回の旗艦店オープンが「日本における新たな重要な戦略の第一歩」であると強調。今後、日本のより多くのユーザーに最新テクノロジーの楽しさを提供するため、全国へのXiaomi Store展開を計画していることを明らかにした。




セレモニーの締めくくりにはテープカットが行われ、Xiaomi Japan初の旗艦店の門出を華々しく飾った。
オープニングセレモニー後には、メディア向けのグループインタビューが行われ、Xiaomi国際業務部 Andrew Li氏およびイオンモーの坪谷雅之氏が今後の日本市場における戦略について詳細を語った。

Xiaomi側は、最初の旗艦店を埼玉県、特にイオンモール浦和美園に設置した理由として、ビジネスモデルの中核に「ユーザーとの近さ」を据えている点を挙げた。浦和美園のイオンモールは幅広い年齢層の顧客を有しており、この点が重視されたという。また、日本国内で広範な店舗網を持つイオングループとの連携を優先的に考慮したことも、選定の大きな理由となった。Xiaomiは中国国内をはじめ、他の地域でもイオングループと協力関係を築いており、その実績も今回の決定を後押しした。
今後の店舗展開については、当面は首都圏を中心に検討を進め、将来的には日本全国の主要都市への展開を目指す方針を示した。中国国内では既に1万5000店を超える店舗を展開しており、日本においても「すべてのXiaomiユーザーの身近にXiaomiホームが存在する」状態を目指すという長期的なビジョンが語られた。
店舗形態については、現時点では開店初期段階であるため、直営店での運営を通じてビジネスモデルの確立を目指す方針が示された。しかし、将来的には迅速な店舗網拡大のため、フランチャイズ展開も視野に入れているものの、具体的な計画は今後の検討課題とした。これに対し、イオンモール側は地域展開における協力体制を惜しまない姿勢を示した。
マーケティング戦略に関して、ファミリー層が多い商業施設への出店と、これまでXiaomiが主にテクノロジーに関心の高い層に訴求してきた点との関連性が問われた。Xiaomi側は、「グローバル全体で『世界中のすべての人にテクノロジーによる素晴らしい体験を提供する』というミッションを掲げており、特定の層だけでなく、すべての年齢層のユーザーをターゲットとしている」と説明。今回の出店地選定は、店舗の立地条件と開店のタイミングによるものであり、マーケティング戦略の根本的な変更を意味するものではないとした。むしろ、ファミリー層もXiaomiの重要な顧客層であると認識しており、今後展開するIoTスマート家電製品などが幅広いニーズに応えられると期待を示した。
海外ブランドであるXiaomiが日本のイオンモールに出店することの意義や、グローバルなショッピングモール展開の視点についても言及があった。イオンモール側は、中国やアジアで既に26店舗のXiaomi Storeを展開している実績を踏まえ、顧客の購買行動に関する知見を有しており、日本国内におけるXiaomiとの協力に意欲を示した。
日本市場特有の顧客の反応について問われると、Xiaomi側は、日本のミファンの熱意と礼儀正しさに強い感銘を受けたと述べた。製品展開については、グローバル戦略に基づき基本的なデザインや製品カテゴリーは統一されるものの、日本のユーザーのニーズを深く研究し、日本の電圧規格に合わせた製品調整などを実施していると説明。将来的には、日本市場の特性に合わせた製品開発も視野に入れていることが示唆された。