生活空間の転倒検知で業界横断プラットフォーム発足【トータルフューチャーヘルスケア・YKK AP・大東建託・ドコモ・中部電力の共同プレス発表会】

2024年10月4日、トータルフューチャーヘルスケアはNTTドコモやYKKAP、大東建託、中部電力の4社と共同プレス発表会を開催。生活空間で発生する転倒等の急変や、認知症等の疾患リスクの早期発見モデルの社会実装に取り組む業界横断のプラットフォームを発足を発表しています。

プラットフォーム発足の背景として、高齢化の進展や独居世帯の増加等の社会の変化にともない、生活空間での転倒が増加。転倒は、つまずきによる転倒だけでなく、脳卒中や心筋梗塞等の疾患起因による意識障害や、認知症やフレイル等の心身の変化の兆候としても現れ、多くが生活空間で発生しています。

また、認知症や糖尿病等の徐々に進行していく疾患は、潜在患者数が多い一方で、受診率が低い傾向にあります。たとえば、認知症は、MCI(軽度認知障害)を合わせると、日本だけで1,002万人の潜在患者がいますが、受診率は12%に留まっています。

このような生活空間での転倒等の急変や、認知症等の疾患リスクを早期発見できれば、医療費・介護費等の社会コストの削減にも寄与できる可能性があります。

今回発表されたプラットフォームでは、急変や疾患リスクの早期発見モデルは、世界最先端技術を有するVayyar、Binah、PSTらと提携して優先的な実施権を持つトータルフューチャーヘルスケアが開発します。

早期発見モデルでは、住宅・介護施設等の生活空間に非接触のセンシングデバイスを設置し、プライバシーが守られる形でユーザーのバイタルデータや動きをモニタリングします。

急変を検知した際には、ご家族や介護スタッフ、あるいは住宅の管理会社や提携する警備会社へ通知を行い、必要に応じて救急要請をします。

疾患リスクを検知した際には、リスクをユーザーへフィードバックし、ユーザー自身の判断で近くのクリニックや提携病院、オンライン診療の受診に繋げます。

本モデルは、診断ではなく、ヘルスケア領域でのスクリーニングを目的に、開発を推進します。

世界最先端技術を有する「技術パートナー」と、エンドユーザーへサービスを提供する「事業パートナー」を繋ぐプラットフォームの役割をトータルフューチャーヘルスケアが担い、参画する各組織が自社の強みや既存事業を活かした役割のもと、「急変の早期発見」「軽症での早期発見」モデルの生活空間への社会実装を目指します。

「技術パートナー」は、既に提携協議を進めている3社も含め、今後も提携企業を増やしていく計画です。

すでに社会実装に向け、海外で導入実績のあるVayyarの転倒検知技術の日本市場への最適化を目的に、 慶應義塾大学医学部、YKK AP等の協力のもと病院、介護施設、住宅(社員寮)での技術実証に着手。最初の「急変の早期発見」モデルは、2025年度の市場導入を目指すとのことです。

この記事を書いた人

海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けています。

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